宮城県はなぜ全国で最も不登校が多いのか?現役校長が語る“宮城県教育の構造的な課題”

宮城県は、自然も豊かで、人も温かい魅力ある地域です。東北大学を中心とした研究都市としても知られ、スタートアップ企業も増えています。

それにもかかわらず、中学生の不登校率は全国で最も高い水準です。

なぜ、このようなことが起きているのでしょうか。

私は元公立中学校教員として、全国の教育現場を見てきました。また現在は、全国750名以上の子どもたちが学ぶオルタナティブスクール「NIJINアカデミー」を運営し、多くの不登校の子どもや保護者と向き合っています。

そこで見えてきたのは、「子どもの問題」ではなく、「教育の構造」の問題でした。

今回は、宮城県で不登校が多い理由について、教育者としての視点からお話しします。

星野 達郎
星野 達郎 Tatsuro Hoshino
株式会社NIJIN 代表取締役 / NIJINアカデミー 校長

全国750名以上の小中高生が学ぶオルタナティブスクール「NIJINアカデミー」の校長を務める傍ら、2つの教師団体を主宰。これまで累計1,200名以上の教員向けに研修を実施し、学校の中と外、両面から教育課題の解決に取り組む。

その独自の教育実践はNHKやテレビ朝日など多くのメディアで特集され、「青年版国民栄誉賞」「内閣総理大臣奨励賞」を受賞するなど、各方面から高く評価されている。

確かな実績と熱い教育信念を持つ一方で、普段は生徒たちから気さくにいじられる「愛されキャラ」の校長として、日々子どもたちと本音で向き合っている。

目次

結論:宮城県の問題は「子ども」ではなく教育の構造

タツロー校長

宮城県で不登校が多い理由は、子どもたちが弱いからではありません。
教育の選択肢が少なく、一つの価値観の中で競争を続けなければならない構造が、大きく影響していると私は考えています。

私はこれを、

「扇風機で過ごす高級住宅」

という言葉で表現しています。

住みやすい街であり、経済も文化も発展している。

しかし、教育だけが昔のまま。

そのギャップが、子どもたちの苦しさにつながっているのです。

データで見る宮城県の不登校率

文部科学省の調査では、中学生の不登校率は全国的に増加しています。

その中でも宮城県は、全国でもトップクラスの不登校率となっています。

例えば1000人あたりの不登校児童生徒数を見ると、

  • 東京:約78人
  • 大阪:約70人
  • 宮城:約83人

という状況です。

もちろん、不登校の理由は一人ひとり異なります。

しかし、これだけ突出した数字になる背景には、個人ではなく社会や教育の構造があると考えるのが自然でしょう。

宮城県教育の特徴は「選択肢の少なさ」

私が宮城県の教育を見て感じる最大の特徴は、

高校までの進路の選択肢が非常に少ないことです。

東京や大阪では、

  • 私立高校
  • 公立高校
  • 通信制高校
  • インターナショナルスクール
  • 多様な教育方針を持つ学校

など、さまざまな選択肢があります。

一方で宮城県は、公立高校の存在感が非常に大きく、伝統的な「ナンバースクール」を目指す文化が今も根強く残っています。

もちろん、公立高校そのものが悪いわけではありません。

しかし、「みんなが同じ基準で評価される」という文化が強い地域ほど、そこに合わない子どもは苦しくなりやすいのです。

なぜ選択肢が少ないと不登校が増えるのか

私は教育で最も大切なのは、

自分に合う環境を選べること

だと考えています。

ところが選択肢が少ないと、

「この学校に合わない」

と思っても、次の居場所を見つけにくくなります。

すると、

学校に行くしかない

でも苦しい

という状態になってしまいます。

不登校になる子どもの多くは、怠けたいわけではありません。

今いる環境が合わず、エネルギーを使い果たしてしまっているのです。

フリースクールの少なさが生み出す苦しさ

もう一つ気になるのが、フリースクールなど学校外の学びの場の少なさです。

東京には100校を超えるフリースクールがあります。

大阪にも数多く存在します。

一方で宮城県は、その数が大きく少なくなります。

つまり、

学校に合わない。

でも次の居場所がない。

この状況では、不登校の子どもも保護者も孤立しやすくなります。

教育の多様性とは、「学校を否定すること」ではありません。

子どもに合った学びを選べる社会をつくることなのです。

社会は進化しているのに教育だけが取り残されている

私は宮城県が嫌いなわけではありません。

むしろ大好きな地域です。

東日本大震災のボランティアをきっかけに何度も訪れ、多くの人との出会いがありました。

東北大学を中心とした研究やスタートアップも盛んで、都市としての魅力は非常に高いと感じています。

だからこそ、

社会は進化しているのに、高校までの教育だけが昔の価値観にとどまっている。

そのギャップがもったいないのです。

私はこの状況を「扇風機で過ごす高級住宅」と表現しました。

家そのものは素晴らしい。

しかし、一番大切な設備だけが昔のまま。

教育も同じです。

これからは、多様な学校、多様な学び方、多様な生き方を認める社会へ変わっていく必要があります。

保護者に伝えたいこと

もし宮城県で子育てをしていて、お子さんが学校に苦しさを感じているなら、

「この子が弱いからだ」

と思わないでください。

学校が合わないことと、その子の可能性はまったく別の話です。

今はオンラインスクールやフリースクール、通信制教育など、学び方の選択肢は少しずつ広がっています。

大切なのは、

学校に合わせること」ではなく、「その子に合う環境を見つけること」。

その視点を持つだけで、子どもの未来は大きく変わる可能性があります。

だからこそ私たちは、「学校しかない社会」ではなく、「子どもが自分らしく学べる社会」を広げていきたいと考えています。

NIJINアカデミーでも、全国の子どもたちが地域に関係なく、自分らしく学べる環境づくりに取り組んでいます。

宮城県に限らず、学校選びや不登校について悩んでいる方は、ぜひ一度私たちの取り組みをご覧ください。

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なぜ宮城県だけ不登校率が高いのか、教育構造の違いや全国との比較など、記事では伝えきれなかった内容もお話ししています。ぜひフルバージョンをご覧ください。

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