「学校に行けない」という現実に直面をしているのは、子ども本人や保護者だけではありません。支援の手段を模索する自治体や教育委員会にとっても、専門スタッフの不足は大きな壁となっています。
この課題に対し、一つ答えを提示したのが、青森県むつ市とTOPPAN株式会社、そして不登校支援のNIJINによる3者事業連携です。メタバース空間を「第3の居場所」として活用し、出席扱い制度の活用も行なっている本取り組みは、全国の自治体が抱える不登校問題の解決の糸口となる可能性があると考えています。
今回は、むつっこメタバース支援事業に携わっているむつ市教育委員会 氣仙 透 氏とTOPPAN 中村 佳香 氏よりコメントをいただきながら、2025年度のむつっこメタバース支援センター事業について振り返ります。
なぜ「メタバース」支援なのか
令和4年度の文部科学省の調査では、全国の不登校児童生徒の38.1%が学校や相談機関と繋がっていないという実態が明らかになりました。むつ市においても同様の課題を抱える中、これまで対面での教育相談や適応指導を丁寧に行ってきた経験を活かし、不登校の子ども達が安心して過ごせる居場所、そして多様な学びの選択肢を提供するために、メタバース空間の活用を決定しました。
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むつっこメタバースの主な成果
地理的制約の克服(広大な市域への対応)
青森県内最大の面積を持つむつ市において、市内中心部の教育支援センターへ通うことが物理的に難しい児童生徒に対し、居住地を問わない均等な支援機会を提供できました。
教育委員会✖️TOPPAN✖️不登校オンラインスクールの連携の強み
NIJINアカデミーのメタバース校舎での生活、全国の仲間や大人との関わりの中で、子ども達は仮想空間に用意された「居場所」で安心して過ごすことができ、navimaを活用した学習支援を受けることも可能になります。 三者の連携により、学校に通うことが難しい子ども達一人ひとりが、自分のペースで学び、社会とつながり、成長できる大切な時間を過ごせる環境を整えました。

むつっこメタバースの主な成果
デジタルドリルnavimaの活用
普段は控えめな子が、コツコツとデジタルドリルに励んでいるといった「静かな頑張り」にも出会いました。
実際の取り組みについて


10:00-11:00
メタバースと繋がりホーム体育・ホームルーム
むつ市の子ども達は、全国に在籍をしているNIJINアカデミー生と一緒に体育や朝の活動で交流をします。カメラやマイクをオンにする・しないは自分で選ぶことが可能。チャットやリアクションの機能なども利用することができるので、程よい距離感で互いに交流することができます。

11:00-
むつっこタイム(週2回実施)
むつ市担当のメタバーススタッフが付き、むつ市の児童生徒同士が交流する時間を設定しています。1週間の見通しを持ったり、週末には振り返りとして「学びのポートフォリオ」を記入します。2025年2月には国際交流企画も実施。東ティモールの学生と一緒に交流をし、日本の文化紹介などを行いました。

13:00-
NIJINアカデミーオンライン授業への参加
月100コマ近くあるオンラインで実施されている授業に参加することができます。学習指導要領に準拠している授業はもちろん、学校で設置されていないような体験型・プロジェクト型の授業も実施しています。

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子ども達の成長
子どもたちが目標を語り、生徒同士で自然にチャットや対話を楽しむ姿が見られるようになり、あたたかく前向きな空気が感じられました。特に印象的だったのは、国際交流に向けたプロジェクトです。仲間と協働して日本紹介のプレゼン資料を作り上げ、大勢の前で緊張をしながらも最後までやり遂げた姿には、胸が熱くなるものがありました。
「アバター」による心理的障壁の解消
学校や既存の支援施設への登校・通所が困難だった児童生徒が、アバターを介することで参加を実現できました。「顔出し」や「声出し」を強制されない設定が安心感を与え、社会との接点を再構築する第一歩となっています。
なぜ「自治体教育委員会」がメタバース不登校支援を行うのか
メタバース支援は、民間だけで完結させるのではなく、行政が主体となることでその価値は最大化されます。氣仙氏は、行政が主体となってメタバースを運営することには、以下の大きな意義があると話しています。
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自治体でメタバース不登校支援を行うことの有効性
自治体予算で運営することで、家庭の経済状況に関わらず、支援を必要とするすべてのこどもに門戸が開かれます。また、教育委員会の持つ公的知見と民間企業の技術力を融合させることで、地域のニーズに即した柔軟な支援を提供することが可能になります。
今後は、単独自治体のみならず都道府県単位などの広域で運営することで、各自治体の財政負担を軽減し、どの地域からでも参加できる持続可能な仕組みの構築が期待されます。
全国に広がる「NIJIN×自治体」の共創事例
「行政の信頼」に「企業の技術」、そしてNIJINアカデミーの「教師力」を掛け合わせれば、地理的な条件や環境に関わらず、どんな地域でも子どもたちの未来は変えられます
むつ市での歩みは、決して特別なものではありません。すでに全国の志ある自治体が、NIJINアカデミーと共に新しい扉を開いています。
愛知県知立市教育委員会×NIJINアカデミー メタバース支援事業事例

広島県福山市教育委員会×NIJINアカデミー メタバース支援事業事例

「行政の信頼」に「企業の技術」、そしてNIJINアカデミーの「教師力」を掛け合わせれば、地理的な条件や環境に関わらず、どんな地域でも子どもたちの未来は変えられます。
むつ市、知立市、福山市。 これらの街で生まれた小さな変化の種は、いま着実に芽吹き始めています。
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2026年むつっこメタバース今年度への期待
現在、利用している児童生徒の多くは、自身のコンディションや目的に合わせ、学校、学習塾、メタバースを柔軟に併用しながら活動しています。
今年度は、メタバース内での様々な活動を通じて自信を回復した児童生徒が、教育支援センターや学校などの「リアルな場」へ少しずつ足を運べるよう、両者を繋ぐ「ブリッジ機能」のさらなる強化を目指します。
EDIX東京2026にて3市との連携事例・成果報告を実施

株式会社NIJIN NIJINアカデミーは、この度EDIX東京2026にブース出展することが決定しました。3日間の出展期間中、むつ市、知立市、福山市の3自治体で行われた「メタバース不登校支援事業」での成果報告を実施します。
「第17回 EDIX(教育 総合展)東京」 開催概要
会期: 2026年5月13日(水)~15日(金)
時間: 10:00~18:00(最終日のみ17:00まで)
会場: 東京ビッグサイト
主催:RX Japan株式会社
出展ブース番号: 19-6
公式HP:https://www.edix-expo.jp/tokyo/ja-jp.html
5月13日(水)11:00 広島県福山市
福山市の目指す「誰ひとり取り残さない」不登校支援の在り方
5月14日(木)11:30 愛知県知立市
自治体とつくる“不登校支援の新しい形” ― 知立市教育委員会の実践と公開Q&A ―
5月15日(金)11:00 青森県むつ市
むつっこメタバース不登校支援事業~自治体・企業との三者連携で行う不登校支援の事例~


