「嫌な朝の時間から、笑える日々へ」ーくみさんの歩みー

こんにちは!ボランティアスタッフのみゅーです。

今回は中学1年生のくみさんにお話を聞きました。

小学3年生の夏休み明けから学校に行きづらさを感じるようになったくみさん。

次第にクラスのみんなから「どんなふうに思われているんだろう」「どう見られているんだろう」

という不安を抱えるようになっていきました。

この記事では、そんな苦しい朝の時間を乗り越え、NIJINアカデミーで仲間や先生と出会い、挑戦を重ねながら楽しい日々を取り戻していくまでの歩みをお届けします。

目次

心に芽生えた不安のたね

―学校に行きづらくなったきっかけはありますか?

くみさん:もともと学校は週5で行っていました。でも、小学3年生の夏休みが終わるころに風邪をひいてしまって、しばらく学校を休んだんです。

夏休みが明けて少し経ってから登校したとき、クラスのみんなはもう授業がいろいろと進んでいて…。

それが「自分だけ置いていかれた」ように感じて、そこから少しずつ学校を休むようになりました。

学校を休みがちになると、教室に入ったときにクラスのみんなが私のことを見てくるように感じて、

「どんなふうに思われているんだろう」「どう見られているんだろう」と心がざわざわして、不安でいっぱいになりました。

小学4年生になるころには、とうとう学校へ行けなくなってしまいました。

でも、そのときの担任の先生は、先生自身も過去に学校に行きづらさを抱えた経験のある方で、私を責めることなく、たくさん励ましてくれたんです。

それがとても嬉しかったです。

折れそうで、折れなかった朝

―学校を休みがちになったとき、お母さんや周りの人はどんな反応でしたか?

くみさん:私が学校を休みがちになったとき、お母さんは「無理にでも学校に行かないといけない」という感じだったので、毎朝のように怒られていました。

私自身も「学校は何があっても行かなきゃいけない」と思っていたので、学校に行くことが正しいと思っていました。

でも、朝はとにかく布団から出るのが本当に嫌でした。お母さんは布団をひっくり返すまではしなかったけど、私が起きるまでずっとそばにいました。もう、お互いがどっちか折れるまでの根競べみたいな感じで…。

「起きたら学校に行かなきゃいけない」

「でも起きなきゃお母さんが怒る」

そんな気持ちがぶつかって、朝がどんどん嫌いになっていきました。

それから、夜もなかなか眠れなくなりました。

寝ても寝なくても朝は必ず来るって分かっていたけど、「朝が来なければいいのに」って思いながら、時計の秒針をじーっと見つめていたこともあります(笑)

でも、お母さんは朝以外の時間は本当に優しかったんです。

だからこそ、「朝さえ来なければ」って思っていました。

NIJINアカデミーとの出会い、はじまり

―NIJINアカデミーを知ったきっかけはありますか?

くみさん:学校を休みがちになってからは、家でイラストを描いたりして過ごしていました。でも、だんだんやることがなくなってきて、家にいても暇になってしまって…。

そこで「どこかいいフリースクールがないかな」と探し始めました。

そんなとき、お母さんがヤフーニュースでNIJINアカデミーを見つけたんです。

それが、私がNIJINアカデミーを知ったきっかけでした。

くみさん作(小6の時)

―NIJINアカデミーに決めた理由はありますか?

くみさん:一つ目の理由は「新しく開校する」という点です。

すでにあるフリースクールは、きっとコミュニティができあがっていて、途中から一人で入るのは少し勇気がいるなと思っていました。

でも、NIJINアカデミーのように新しく始まる場所なら、「みんなスタートは一緒なんだ」と思えて、入りやすい気がしたんです。

それに、どんな授業だったかはもう覚えていませんが、説明会で授業の説明を聞いたときに「面白そう!」と感じたからです!

「授業が面白そう」「新しく開校する」「説明会で話していた校長の話し方が楽しくて面白くい」という点が魅力的で入学を決めました!

ドキドキとワクワクの先にいた仲間

―NIJINアカデミーに入学してみてどうでしたか?

くみさん:入学前日の夜は、不安とワクワクでいっぱいでした!

今までは「寝て起きたら学校に行かなきゃいけない」「起きなきゃお母さんが怒る」

という状況がずっと続いていて、朝がとても嫌な時間でした。

でも、NIJINアカデミーに入学する前夜は、

「もう、明日からは“学校に行かなきゃ”って思わなくていいんだ」

「お母さんも怒らないんだ」

と思うと、心がふっと軽くなりました。

その日はいつもと違って、リラックスして眠ることができたんです。

そして入学してみたら、私と同じように学校に行きづらさを感じている子がたくさんいて!

今までは自分と同じように学校に行きづらさを抱えた友達が身近にいなかったので、

「自分だけ」な気がして不安でいっぱいだったけど、NIJINアカデミーでは「仲間だあ!!!」って思えて、すごくホッとしました。

ーNIJINアカデミーに入学して良かった!と感じたできごとはありますか?

くみさん:いくつかありますが、まず一つ目は、自分のペースで勉強を進められることです。

学校に行きづらくなってからは、勉強を進める場所がなくなってしまって不安でした。でも、NIJINアカデミーでは「navima」という学習アプリを使って、自分のペースで学習できるので安心して勉強できます!

あとは、ホームルームが楽しかったことも印象に残っています!今でも覚えているのは、校長が話していたシジュウカラの鳴き声についての話です!

そして、一番印象的だったのは先生たちの雰囲気です。自由学習で先生と話したとき、画面の向こうの部屋が少しごちゃっとしていて、それがすごく親近感につながりました。学校の先生ってきっちりしていて少し近寄りがたい印象がありましたが、NIJINアカデミーの先生たちはすごく自然で面白くて話しやすいんです!

始めは「試しに入学してみよう」という気持ちでしたが、今では「NIJINアカデミーに入って良かった!」と思っています。

「navima」とは、TOPPANとNIJINアカデミーが共同開発した、メタバース校舎で学びを支えるオンライン学習システムです。2024年9月から約1年間、不登校支援を目的とした実証研究が行われています。

―入学前と後で感じた変化はありますか?

くみさん:「朝が嫌な時間じゃなくなった」というのも大きいんですけど、一番の変化は、自分から積極的にコミュニケーションを取れるようになったことです!

前は自分から話しかけるのが苦手だったんですが、去年の修学旅行で初対面の子に話しかけることができたんです。

それをきっかけに、少しずつ積極的に話せるようになっていきました。

今では、同じように学校に行きづらさを抱えてきた仲間や友達がたくさんできました!

勇気と挑戦で広がった世界

―頑張っていることや挑戦したことはありますか?

くみさん:リアルイベントの修学旅行に参加したことです!「みんなとリアルで会いたい!」と思って参加しました。

最初に参加したリアルイベントは親子ピクニックだったんですが、そのときは入学したばかりで、すごく不安でした。

でも、実際に行ってみると、メタバースの中でしか会ったことのなかったみんなに会えて、本当に感動したし、とても嬉しかったです!

今では友達もできて、リアルイベントに参加するのがとても楽しみになりました。

そして、学校にテストを受けに行ったことも、大きな挑戦でした!

―今、興味のあることはありますか?

くみさん:今は読書にはまっています!その中でも特に「サイレント・ウィッチ」という小説がお気に入りです。中学校の図書室のおたよりにある新刊コーナーで紹介されていて、読んでみたら、すっかりハマっちゃいました!

―NIJINアカデミーのクラスはどうですか?

くみさん:クラスのみんなは本当に優しいです!だから今は、前みたいに「どんなふうに思われてるのかな」「どう見られてるのかな」という不安は全くないです!担任の先生も面白くて優しい最高の先生です!

私は料理が好きで家でもよく作るんですが、授業で調理実習があって、特にオムライス作りが楽しかったです。みんなで作って、みんなで食べる時間がすごく楽しかったです!

―これから頑張りたいことはありますか?

くみさん:これから練習して、もっとイラストを上手く描けるようになりたいです!

くみさん作

くみさん作

おわりに

時計の秒針をじーっと見ながら「朝が来なければいいのに」と思っていたくみさん。

しかし、NIJINアカデミーに入学してからは朝が嫌な時間から優しい時間へと変わっていきました。

今では積極的にコミュニケーションを取ったり、サークル活動に参加するなど毎日新しい一歩を刻んでいます。


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