「周りの子がみんな塾に行き始めたから、うちも中学受験をさせたほうがいいのだろうか?」
都市部で子育てをしていると、一度はこんな悩みに直面しますよね。特に保護者の方にとっては、非常に悩ましい問題です。
そこで本記事では、「するべきか、しないべきか」と悩むご家庭に向けて、独自の視点をお届けします。オルタナティブスクール「NIJINアカデミー」の星野達郎(タツロー校長)が、中学受験のメリットとデメリットを徹底解説します。
全国900名以上の小中高生が学ぶオルタナティブスクール「NIJINアカデミー」の校長を務める傍ら、2つの教師団体を主宰。これまで累計1,200名以上の教員向けに研修を実施し、学校の中と外、両面から教育課題の解決に取り組む。
その独自の教育実践はNHKやテレビ朝日など多くのメディアで特集され、「青年版国民栄誉賞」や「内閣総理大臣奨励賞」を受賞するなど、各方面から高く評価されている。
確かな実績と熱い教育信念を持つ一方で、普段は生徒たちから気さくにいじられる「愛されキャラ」の校長として、日々子どもたちと本音で向き合っている。
中学受験のメリット・デメリットは「地域」で全く違う

まず前提として、中学受験に対する価値観は住んでいる地域によって大きく異なります。
たとえば、文部科学省の学校基本調査(※外部リンク)などのデータを見てみましょう。
東京の都心部では半数近くが中学受験をする地域もあります。その一方で、地方に行けば「公立へ進学する」のが当たり前という地域も少なくありません。
そのため、転勤などで都市部に移住してきた保護者にとっては戸惑うことも多いはずです。「周りがみんな受験しているから」という理由だけで流されてしまいがちです。だからこそ、まずはこのギャップを冷静に捉えましょう。そして、ご家庭にとっての中学受験のメリット・デメリットを整理する必要があります。
デメリット:偏差値レースのための中学受験は反対
具体的には、タツロー校長は明確に反対の立場をとっている受験があります。それは、親のステータスや「少しでも良い偏差値の学校へ」という学歴レースに乗るための中学受験です。これらはデメリットの側面が強いからです。
タツロー校長「偏差値や学歴という『1つの評価軸』しかない学校があります。そこで、自分が底辺の階層にいる状態で過ごしてしまうと、子どもの自己肯定感や前に進む勇気は失われてしまいます。その結果、チャレンジ精神が奪われてしまいます。さらに、人生が不幸になっていくという統計もあるんです。」
つまり、月に何万円も塾に投資し、遊ぶ時間や豊かなコミュニケーションの時間を奪ってしまいます。そして、画一的な計算をひたすらやらせることになります。
しかし、大人になってもその力がAIに代替されてしまう未来が待っています。それならば、そのレースからは早めに降りた方が良いのかもしれません。
メリット:「環境を選ぶ」ための中学受験には大賛成


一方で、タツロー校長が強く賛成している中学受験の形もあります。それは、「子どもに合った環境を選ぶため」の受験です。ここに最大のメリットがあります。
たとえば、小学校でいじめに遭ったり、公立校の雰囲気が合わずに不登校になったりした子どもがいます。そうした子が、「中学校からは環境を変えて、心機一転頑張りたい」と願うケースです。



「不登校の子どもなどは、環境によって大きく左右される特性を持っています。そのため、公立が合わなくても心配はいりません。私立の自由な校風の中でなら、のびのびと力を発揮できるケースはたくさんあります。ですから、その子を見てくれる教育機関に繋げる意味での中学受験なら大賛成です。」
現実に、私立中学校の中には軍隊のように管理が厳しい学校もあります。しかし一方で、自由を掲げてその子らしさを大切にする学校もあります。
したがって、我が子の特性に合わせて環境を選び抜くことが重要です。多様性の中で評価される環境を探すことが、中学受験の最大のメリットになります。
まとめ:親がすべきは「子ども理解」と「社会理解」
結論として、中学受験をするメリットもデメリットも、「どのレースに参加するか」をどう選ぶかにかかっています。なぜなら、ペーパーテストの偏差値だけが求められる時代は終わったからです。
今はプログラミングやアート、あるいは好きなことをとことん突き詰めるなど、多様な才能で生きていける時代です。



「そもそも教育の目的は、子どもと社会を繋ぐことです。だからこそ保護者は、『我が子がどんな子なのか(子ども理解)』を深める必要があります。さらに、『これからどんな未来になるのか(社会理解)』を学ぶことも大切です。この両方を深めていく必要があります。」
したがって、周りが受験するからと焦る必要はありません。まずは親子でしっかりと対話をしましょう。そして、「自分の人生は自分で決める」という経験を子どもに積ませてあげてください。
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